海外アーティストの名盤を1曲ずつ深掘りするポッドキャスト。第10弾Kraftwerk『Tour de France』(2009 remaster)の最終回は、12曲目にして表題曲『Tour de France』。1983年のシングルを、原曲の編曲を土台に2003年へ録り直した一曲です。#2から温存されてきたあの旋律がついに戻り、20年の円環が閉じます。全12曲の総括——レースの時間から身体の内側へ、そして測れないものへ——と、ホームページ albumatlas.jp のご案内、そして次シリーズ第11弾Frank Ocean『Blonde』(2016)の予告をお届けします。
海外アーティストの名盤を1曲ずつ深掘りするポッドキャスト。第10弾はリスナー・リクエスト作品、Kraftwerk『Tour de France』(2009 remaster)。第11回は11曲目『Régéneration』。1分16秒、アルバムで最も短い曲です。8分41秒の『La Forme』の直後に、いちばん短い曲を置く配置。回復はテレビに映らず、競技時間にも数えられない。それでいて、三週間走り続けるステージレースの勝敗を決めるのは回復です。そして「再生」という言葉は、次の最終曲——20年前のシングルが生まれ直す一曲——の予告にもなっています。
海外アーティストの名盤を1曲ずつ深掘りするポッドキャスト。第10弾はリスナー・リクエスト作品、Kraftwerk『Tour de France』(2009 remaster)。第10回は10曲目『La Forme』。8分41秒、アルバム最長の曲です。フランス語で調子、コンディションを指すこの言葉は、自転車競技でいちばん使われ、いちばん説明のつかない語でもあります。時計も、栄養も、空気抵抗も、素材も、心拍も数字にできるのに、調子だけは測れない。身体を機械として設計し直してきたアルバムが、最後の最後で「それでも設計できないものがある」と認める地点として解説します。
海外アーティストの名盤を1曲ずつ深掘りするポッドキャスト。第10弾はリスナー・リクエスト作品、Kraftwerk『Tour de France』(2009 remaster)。第9回は9曲目『Elektro Kardiogramm』。心電図です。人間の内側を流れる電気を線として描き出す装置を、電子音楽の始祖が題名にしました。2005年、最初のライブ演奏からおよそ35年を経て発表された初の公式ライブ盤『Minimum-Maximum』は、その題名をこの曲の歌詞から採っています。バンド自身がこの曲を看板に選んだということです。時計・栄養・空気・素材と外側を測ってきたアルバムが、ついに心臓そのものへ到達する回。
海外アーティストの名盤を1曲ずつ深掘りするポッドキャスト。第10弾はリスナー・リクエスト作品、Kraftwerk『Tour de France』(2009 remaster)。第8回は8曲目『Titanium』。短く、硬く、金属的な一曲です。アルバムでただひとつ、人間でも時間でもなく「モノ」を題名にした曲。自転車競技が機材のスポーツでもあること、鉄からアルミ、チタン、そしてカーボンへと移った素材の歴史の中で2003年にチタンを選ぶことの含み、そしてビンディングで足が固定され人と機械がひとつの装置になる競技において、このシリーズの通し軸「身体を機械として設計し直す」が最も文字どおりになる地点として解説します。
海外アーティストの名盤を1曲ずつ深掘りするポッドキャスト。第10弾はリスナー・リクエスト作品、Kraftwerk『Tour de France』(2009 remaster)。第7回は7曲目『Aéro Dynamik』。2004年3月15日にシングルとして発売され、英国のダンス・シングル・チャートで1位を獲得した、アルバムでいちばんダンスフロアに近い一曲です。Alex Gopher/Etienne de Crécy、François K、そして2007年にはHot Chipがリミックスを手がけました。自転車競技における最大の敵は重力ではなく空気であること、そして流線型という主題が『Autobahn』から続いていることを軸に解説します。
海外アーティストの名盤を1曲ずつ深掘りするポッドキャスト。第10弾はリスナー・リクエスト作品、Kraftwerk『Tour de France』(2009 remaster)。第6回は6曲目『Vitamin』。8分を超える長尺です。ボコーダーが読み上げるのは炭水化物、たんぱく質、そしてビタミンの名前だけ。「サプリメントの瓶の成分表示を読んでいるだけだ」と評されたほどの、ただの列挙です。持久競技において何を身体に入れるかは競技の一部であること、そしてこのレースが薬物問題と切り離せない歴史を持つこと。断定を一切せず判断を聴き手に預けるその手つきを、第9弾The Velvet Underground『Heroin』と並べて解説します。
海外アーティストの名盤を1曲ずつ深掘りするポッドキャスト。第10弾はリスナー・リクエスト作品、Kraftwerk『Tour de France』(2009 remaster)。第5回は5曲目『Chrono』。題名は個人タイムトライアルを指すフランス語 contre la montre——直訳すれば「時計に抗して」——の呼び名から来ています。選手は1分から2分ほどの間隔で一人ずつ出発し、誰の後ろにも隠れられない。ゆえに「真実のレース」と呼ばれる競技です。アルバムで最もKraftwerkらしいと評されることの多い硬質なシンセと打楽器の精度を、正確さそのものを美学にしてきたこのグループの必然として解説します。
海外アーティストの名盤を1曲ずつ深掘りするポッドキャスト。第10弾はリスナー・リクエスト作品、Kraftwerk『Tour de France』(2009 remaster)。第4回は4曲目『Tour de France Étape 3』。3分56秒。1曲目『Prologue』から続いてきた約15分半の組曲が、ここで終着します。30秒・4分半・6分41秒・3分56秒という長さの配分が描いているレースの形、そして3つの『エタップ』があえて似た顔をしている理由——ステージレースとは、同じ構造の一日を何十回も繰り返す競技だという主題から読み解きます。ここから曲名は、レースの時間そのものから、走る身体の部品へと移っていきます。
海外アーティストの名盤を1曲ずつ深掘りするポッドキャスト。第10弾はリスナー・リクエスト作品、Kraftwerk『Tour de France』(2009 remaster)。第3回は3曲目『Tour de France Étape 2』。6分41秒、冒頭の組曲でいちばん長い一曲です。作曲クレジットに名を連ねるMaxime Schmittは、フランスのPathé-Marconiでキャピトル・レーベルを率い、1970年代半ばからバンドと関わり、1983年のシングルの歌詞をRalf Hütterと共作した人物。ドイツのグループがフランス語で歌う土台を作った人です。同じ曲名が1983年の12インチにも存在したという20年越しの再利用と、ステージレースの中盤=耐える時間を、長い持続でどう設計したかを解説します。
海外アーティストの名盤を1曲ずつ深掘りするポッドキャスト。第10弾は、番組ホームページ albumatlas.jp に届いた初のリスナー・リクエスト作品、Kraftwerk『Tour de France』(2009 remaster)。第2回は2曲目『Tour de France Étape 1』。前回の『Prologue』から続く、4つの曲でひとつながりの15分半の組曲が、ここから本格的に走り出します。打楽器のように使われる呼吸音、登り坂を思わせる上昇音形、そして1983年のシングル版が引いていたとされるPaul Hindemith『フルートとピアノのためのソナタ』の面影。『Autobahn』『Trans-Europe Express』から続く「移動する音楽」の系譜として解説します。
海外アーティストの名盤を1曲ずつ深掘りするポッドキャスト。第10弾は、番組ホームページ albumatlas.jp に届いた初のリスナー・リクエスト作品、Kraftwerk『Tour de France』(2009 remaster)です。2003年8月にTour de France Soundtracksとして発表され、2009年のリマスターで題名と曲名が整理された、Electric Café以来17年ぶりのスタジオ・アルバム。ドイツのアルバム・チャートで彼ら初の1位を獲得しました。第1回は1曲目『Prologue』。わずか30秒あまりの序奏がなぜ「プロローグ」と呼ばれるのか、自転車ロードレースにおけるプロローグの意味から、アルバム全体の設計を読み解きます。リクエスト・フォームのご案内もあわせてどうぞ。
海外アーティストの名盤を1曲ずつ深掘りするポッドキャスト。第9弾The Velvet Underground & Nico(1967)の最終回は、11曲目『European Son』。Lou Reedの大学時代の師である詩人Delmore Schwartzに捧げられた、アルバム最長の一曲です。ロックの歌詞を嫌った師に捧げるため、あえて言葉のいちばん少ない曲が選ばれ、初版では曲名に献辞が併記されました。1分の歌のあとに来る6分以上の自由な轟音、そしてガラスの割れる音の正体。全11曲の総括と、番組ホームページ albumatlas.jp のご案内、そして初のリスナー・リクエスト作品となる次シリーズ第10弾Kraftwerk『Tour de France』(2009 remaster)の予告をお届けします。※歌詞の朗読・逐語引用は行わず、背景とテーマの解説をお届けします。
海外アーティストの名盤を1曲ずつ深掘りするポッドキャスト。第9弾はThe Velvet Underground & Nico(1967)。第10回は10曲目『The Black Angel's Death Song』。1965年、グリニッジ・ヴィレッジのCafé Bizarreで「その曲をもう一度やったらクビだ」と言われ、次のセットの頭でわざと演奏して本当にクビになった、いわくつきの一曲です。Lou Reed自身が「意味ではなく、音の楽しさのために言葉を並べた」と書き残した歌詞、John Caleの電気ヴィオラの不協和音とマイクへの息の音。聴き手を歓迎しない曲が最後から2番目に置かれた理由を解説します。※歌詞の朗読・逐語引用は行わず、背景とテーマの解説をお届けします。
海外アーティストの名盤を1曲ずつ深掘りするポッドキャスト。第9弾はThe Velvet Underground & Nico(1967)。第9回は9曲目『I'll Be Your Mirror』。ライブのあとNicoがLou Reedにかけた「私があなたの鏡になる」という一言から生まれ、1966年7月のデビュー・シングルではB面に置かれた、アルバムでいちばん優しい2分間です。しかし録音は難航しました。もっと弱く歌ってほしいバンドと、強く歌ってしまうNico。何度もやり直させられ、泣き出したあとに残った声。Nicoが歌う3曲を貫く「肖像」の主題とあわせて解説します。※歌詞の朗読・逐語引用は行わず、背景とテーマの解説をお届けします。
海外アーティストの名盤を1曲ずつ深掘りするポッドキャスト。第9弾はThe Velvet Underground & Nico(1967)。第8回は8曲目『There She Goes Again』。7分の『Heroin』の直後に置かれた、2分半の爽やかなポップ・ソングです。跳ねるギター・リフの出どころはMarvin Gayeの1962年『Hitch Hike』。デトロイトのソウルを、ニューヨークの前衛バンドが自分の手癖として弾き直した瞬間の意味と、明るい響きの下に置かれた冷たい言葉、そしてR.E.M.らに受け継がれた後年の評価までを解説します。※歌詞の朗読・逐語引用は行わず、背景とテーマの解説をお届けします。
海外アーティストの名盤を1曲ずつ深掘りするポッドキャスト。第9弾はThe Velvet Underground & Nico(1967)。第7回は7曲目『Heroin』。二つの和音だけで7分を走り抜ける、ロック史上もっとも議論を呼び続けている一曲です。John Caleがギター弦とマンドリン弦を張った電気ヴィオラ、テンポの加速と減速そのものが主題になった構造、そして轟音の中で音が聴こえずMaureen Tuckerが数秒間叩くのをやめた、あの有名なテイク。賛美でも説教でもない一人称で書かれたことの意味と、放送から締め出された代償までを解説します。※歌詞の朗読・逐語引用は行わず、背景とテーマの解説をお届けします。
海外アーティストの名盤を1曲ずつ深掘りするポッドキャスト。第9弾はThe Velvet Underground & Nico(1967)。第6回は6曲目『All Tomorrow's Parties』。1966年7月にデビュー・シングルとして世に出た、アルバム前半の頂点です。John Caleがピアノの弦にクリップの鎖を絡めて弾いたプリペアド・ピアノ、Terry RileyやLa Monte Youngから受け継いだ反復、Lou Reedのオーストリッチ・チューニング、そして二重に重ねられたNicoの声。Warholが最も好んだ曲と伝えられる一曲から、ファクトリーの人々の明日と、1曲目『Sunday Morning』へつながる時間の環を読み解きます。※歌詞の朗読・逐語引用は行わず、背景とテーマの解説をお届けします。
海外アーティストの名盤を1曲ずつ深掘りするポッドキャスト。第9弾はThe Velvet Underground & Nico(1967)。第5回は5曲目『Run Run Run』。ライブ会場へ向かう道すがら、紙切れに一気に書き上げられたと伝えられる、アルバムで最もガレージ・ロック的な一曲です。舞台はユニオン・スクエア。あだ名で呼ばれる4人の人物が次々に登場し、それぞれの理由で街を走り回る。Lou Reedのノイズ寸前のギター・ソロと、群像劇という手法から、都市を書くもうひとつの文体を読み解きます。※歌詞の朗読・逐語引用は行わず、背景とテーマの解説をお届けします。
海外アーティストの名盤を1曲ずつ深掘りするポッドキャスト。第9弾はThe Velvet Underground & Nico(1967)。第4回は4曲目『Venus in Furs』。題名はLeopold von Sacher-Masochの1870年の小説『毛皮を着たヴィーナス』から。John Caleのエレクトリック・ヴィオラの持続音、全弦を同じ音に合わせた通称オーストリッチ・ギター、Maureen Tuckerの儀式のような打撃。1967年のロックがビートルズとサマー・オブ・ラヴに向かう中で、ひとりだけ中世の暗がりへ向かった、アルバムで最も異様な一曲を読み解きます。※歌詞の朗読・逐語引用は行わず、背景とテーマの解説をお届けします。
海外アーティストの名盤を1曲ずつ深掘りするポッドキャスト。第9弾はThe Velvet Underground & Nico(1967)。第3回は3曲目『Femme Fatale』。Andy Warholが「彼女はファム・ファタールだと思わないか」とLou Reedに持ちかけ、ファクトリーの女王Edie Sedgwickをモデルに書かれた曲を、Warholのもう一人のミューズであるNicoが歌う。依頼主、モデル、歌い手、作者の四角関係が生む冷たい距離感と、Nicoの低い声の謎を読み解きます。※歌詞の朗読・逐語引用は行わず、背景とテーマの解説をお届けします。
海外アーティストの名盤を1曲ずつ深掘りするポッドキャスト。第9弾はThe Velvet Underground & Nico(1967)。第2回は2曲目『I'm Waiting for the Man』。ハーレムの125丁目とレキシントン・アベニューの角で、26ドルを握りしめて売人を待つ。それだけの数分間を、John Caleの叩きつけるピアノとLou Reedの乾いた語りが刻みます。ロックがそれまで歌わなかった時間を初めて歌にした一曲を、「待つ」という主題と観察者の文体から読み解きます。※歌詞の朗読・逐語引用は行わず、背景とテーマの解説をお届けします。
海外アーティストの名盤を1曲ずつ深掘りするポッドキャスト。第9弾はThe Velvet Underground & Nico(1967)。第1回は1曲目『Sunday Morning』。アルバムで最後に録音された曲であり、プロデューサーTom Wilsonは「Nicoが歌うシングル候補」を求めたのに、マイクの前に立ったのはLou Reed本人でした。スタジオで見つけたチェレスタをJohn Caleが弾き、オルゴールのように優しい音の下に、誰かに見られているような不安が忍び込む。Andy Warholが主題として「パラノイア」を示唆したと伝えられる、子守唄の顔をした冒頭曲から、「売れなかった傑作」の物語を始めます。※歌詞の朗読・逐語引用は行わず、背景とテーマの解説をお届けします。
海外アーティストの名盤を1曲ずつ深掘りするポッドキャスト。第8弾はNasのデビュー作『Illmatic』(1994)。最終回は10曲目『It Ain't Hard to Tell』。Large Professorが、Michael Jackson『Human Nature』(1983)の吐息のようなコーラスに、Kool & the Gang、Mountain、Stanley Clarkeの断片を重ねた、アルバムからの先行シングルです。「分かりきったことだ」という題名の意味、自らを世に出した恩人Large Professorがアルバムの入口と出口を締める円環、そして全10曲が30年間「完璧」と呼ばれ続ける理由。第8弾シリーズを締めくくり、次シリーズ第9弾『The Velvet Underground & Nico』(1967)を予告します。※歌詞の朗読・逐語引用は行わず、背景とテーマの解説をお届けします。
海外アーティストの名盤を1曲ずつ深掘りするポッドキャスト。第8弾はNasのデビュー作『Illmatic』(1994)。第9回は9曲目『Represent』。DJ Premierとのセッションで最初に録音された、いわばアルバムの出発点です。土台は、無声映画『バグダッドの盗賊』のために弾かれたLee Erwinの劇場オルガン。サイレント映画の伴奏音楽が、90年代クイーンズブリッジの賛歌に生まれ変わります。ヒップホップの合言葉「レプレゼント=代表する」の意味と、曲の最後に仲間の名前を延々と読み上げる声の意味を読み解きます。※歌詞の朗読・逐語引用は行わず、背景とテーマの解説をお届けします。